アイアンリーガー、質問に答える
Q1:設定協力という事ですが、具体的にどのようなお仕事をされたのですか?
そうですね。企画段階の時の打ち合わせとか、必殺技のアイディアとか…
企画段階で没になったけど、その時に良いなーと思っていたネタは、「チューロボ」
(自分の作品には絶対出てこない類のアイディアだな、これ。)女の子のロボットが、
エネルギーの無くなったリーガーに駆け寄ってチューをすれば一時的にエネルギーが
甦ると言うもの…です。まさかあんなに硬派なアニメになるとは思っていなかったもの
で…。
TVってすこしそっち側に寄った方がいいのかな…なんて思ってましたね。結構
「いま」こんなネタがあったなんて聞くと「えーっよしてくれーっ!!」て感じでしょ?
Q2:どういういきさつでこの作品のお仕事をされることになったのですか?
大学時代の友人が、「サンライズのプロデューサー」になっていて…。
そうそう、「ビッグバンプロジェクト」ってのはうちの会社の名前なのに、
あいつ…使いやがったな…?イヤ、絶対あいつの発案だ。きっとそうだ!
*それは某20周年記念作品の…?
Q3:作品は全話ご覧になりましたか?
ボーシップが出るまでは、結構自分で予約録画してみていました。はぐれ編にな
ってからは気が抜けて(連続性が無くなったため)ところどころ抜けてるかも知れません。
でもあの「バレーボール・リーガー」の回は笑っちゃいました。アレは結構好きです。
全部ではないのですが、私のやっていた仕事が、「リーガーの必殺技を考える」
と言うものなので、また、漫画のスタッフに、この作品にはまった人がいたため、
(またまた、私はLDを全部持っているため、)かなり見ていると思います。
ただ、仕事で手渡される資料(脚本やら絵コンテの類)は全部目を通していたので
、見ているつもりで見ていないものもあるかも知れません。LDは、通して見ると
言うより、好きな回だけピックアップして何度も見ている、と言う形なので…。
Q4:ずばり!お気に入りのキャラは誰ですか?
設定段階の時は「リュウケン」でしたが、実際に作品を見てからは「GZ」が好
きになったんです。が、出番が少ないので、「十郎太」「ゴールド三兄弟」中心に見
ていました。
Q5:お気に入りのエピソードは?
「GZ」が仲間になるあたりから、「ゴールド三兄弟」の強制引退をくい止める
あたりまで。「俺はこの球が投げたかったんだ!!」には、泣きそうになりましたね。
Q6:『リーガー』ファンにお勧めの作品はありますか?
また、その作品のどういうトコロが『リーガー』ファンのツボにハマリそうですか?
やっぱり…巨人の星のアニメかなあ…特に21巻(発売されているビデオの)以降が…
生身の肉体でアレをやっている…と言うところ?ライバル花形が、星の
「大リーグボール」を初めて打ち崩すシーンです。ただし、これはあくまで、
「ちょっと見」の人に…と言うことで、出来れば勿体ないので、ちゃんと全部見た方が
ベストです。
Q7:『リーガー』世界の中の登場リーガーになれるとしたら、誰になりたいですか?
うーん・…ウインディかな?マグナムを助けてやりたいしね。
Q8:『リーガー』世界の中の登場人物になれるとしたら、誰になりたいですか?
エドモンド銀城。
Q9:工業用ロボットとリーガーの違いって何だと思いますか?
スポーツを通して熱い魂を知ることが出来る…と言うこと?でもそれが可能な
世界なら、工業用ロボットも労働を通して何かを得るはずだよね。
Q10:マンガの『リーガー』(おとといきたろう氏との合作・絵コンテ担当)描
くきっかけは? 彼は私の手伝いをしてくれていた、大変優秀なスタッフで、
今は「コミックボンボン」なんかで活躍してるんだけど、私はあんまりロボットだとか
モビルスーツだとかを書くのは上手くなくって、時間もかかるので彼に試しに
一ページ描いてみて貰ったら、ものすごく楽しそうにものすごく早く上手く
描いてくれたので、
じゃあ私がネームをやるから絵は君が…と言うことになったわけだ。
Q11:マンガの『リーガー』はかなり本編とイメージが違うように思えるのですが、
ご本人の中で本編に対してどのような位置づけがされていますか?
ごめんなさい。手元に資料がなくって、どんなのを描いたのか思い出せない…!!
(このあと見つけました。少年キッズ。ううーん・・・ちょっとこれは荒いなあ・・・。
確かこれをやっているときの彼「おととい氏」は、他にも仕事が入って来ちゃって、
書き下ろしのゲームアンソロジーだったと思うのだけれど、そっちの仕事の方が、
本人の責任が重い仕事だったんじゃあないかな。こちらの方は私がまあ受けた仕事だし
、原案と言うことで、気楽に考えていたんだと思う。私は彼と、ああでもないこうでも
ないといろいろコミュニケーションを取りながら、作品を作り上げていきたいと思って
いたし、それが彼にも勉強になるんじゃあないかとも思っていたんだけど結果的に
残念ながら彼にその時間が無くなってしまった。で、私のネームをそのまま作画に
移して描きあげたものに、少々の修正を加えただけで発表してしまった。まあ、
いろいろ事情というものは常に変化するから、このときのこの作品はちょっと運の悪い
作品だったという所かなあ・・・私のネームのコマ運びというものは私以外の人が
そのまま描くと微妙にテンポがずれてしまって、間が悪くなりがちなんだけど、
全体的にそんなテンポの作品になってしまったって感じですね。数カット私も作画に
加わっています。P113、P116、P122,P130,P162等々・・・。)
Q12:絵コンテ担当ならではのエピソードってありますか?
うーん…アニメの方の先の展開がわからないので、どうも描きようがないと言うか
…TVと同じ方向性を持たせた方がいいのか、逆の方がいいのか…自分で絵まで
描くときには絶対同じ方向性にはしないんだけどね。(これは絵で遊ばないと原作もの
はやっている楽しみが無いという独特の考えから発想するもので、絵で遊ぶためには
ストーリィの方向性をちょっと変える必然性が出てくるため。)
Q13:このお仕事が本職のマンガに何か影響を及ぼしましたか?
自分の関わっている番組があるって言うのは楽しいよね。Gガンも楽しかったし…
スタッフともいろいろ話をするネタになって良いと思いますね。
* Gガン:サンライズ製作のアニメ、「機動武闘伝Gガンダム」の事。
氏はこの作品のキャラクター原案を手がけられた。それまでのガンダムと
一線を隔した熱さを持つ。リーガーファンなら一度は観てみても損はないと思
われる。
Q14:『リーガー』のこんな部分を観て欲しい!というところを教えて下さい。
目先の正しさや、優しさを優先するストーリーじゃあないところが新鮮で、
ああ、まだこんな類のものにはまってくれるアニメファンも健在なんだなーと思いました。
こんなのを作れるスタッフもすごいですよね。セリフも熱いし…。だからそこら辺を
もっと取り上げて、熱く語って貰いたいと思います。作品を見れば、作っている人の
レベルがイヤでも見えて来ちゃうからね…。ただ技術的にと言うだけではなくてね。
ビデオ版オープニング裏話。
さてさてここでリクエストのあった秘密のお話をしよう。
例の、あのオープニングのお話だ。あの話・・・依頼があったのは確か
GZがメンバーに加わるかどうかと言う、未だ先の展開が解らない頃・・・。
GZ編の前編放映が終わった頃だった。依頼内容は、「ビデオレンタル店が
入れたくなるようなプレゼントをつけたい、それは未発表の新作オープニングだ!!」
と言うもの。「うむ、それは素晴らしいことだね。」と私は応えた。
この時点で私にそのオープニングのアイディアをやれ!と言われるかな・・・
というのは何となく解る。楽しそうな仕事だ。かなり楽しそうな仕事だ。
「ただし、制作日数がない。すぐに出来そうな、枚数のかからなそうなものに限る!」
ええ・・・!?そ、そんな、アニメ初心者の私に何と無理難題を・・・?
「良いか、君はリーガーの必殺技を考える仕事を引き受けておきながら、考えない月も
あっただろう!?これは償いだ!!・・・じゃあ期待しているから頑張ってやって
くれ!!・・・あ、そうそう、期間は一週間だから、それまでにTVと同じ長さの曲に
合わせて絵コンテを切ってくれ。レイアウトもたのむぞ!!じゃあな・・・!!」
レイアウトとは、セル原画と同じ大きさに画面の配置をどのようにするかを絵で表す
もの・・・わーっ!!何がなんだか解らないうちにとんでもなく難しい事を頼まれて
しまった・・・!!絵コンテは一週間で出来たが、レイアウトは・・・時間がかかった。
枚数の少ない、つまり「あまり動かない」アニメーションだ。絵の・・一枚絵の持つ味
がポイントになってくるだろう。と言うことで、ちょっと描き込んだ絵でレイアウトを
決めていった。ここで、私はふと思った。あのアニメは確かにセリフが面白いし、
いい味を出しているが、表情が少ない。大河原設定のロボットと言うことで、ちょっと
縛られて過ぎているところがあるんじゃあないか?もう少し「人間的」に思い切った
作画をしたらもっといけてるものになるはずだ。・・・ここで私が、一発やってみるか
・・・?これを見たスタッフがおお!!こんなやり方も良いなあ!!と乗ってくれれば
それでよし、そうでなければ私のやり方がサンライズに合わないと言うだけのこと。
それはそれでよし。・・・と言うことで作画に思いっきり熱を込めたのだ。・・・まさか
あのレイアウトをそのまま原画として使うとは・・・!思っても見なかった・・・!?
そんなに時間がなかったのかーっ??これじゃあまるで島本和彦総責任みたいじゃあ
無いか!!(いやある意味そうなんだけれども)私はあのレイアウトをプロの
アニメーターが洗練された形に作り上げてくれるものと思っていたのに!!あの完成
されたビデオを始めてみたときの衝撃を想像してみて欲しい。私の描いたとうりにしか
なっていないのだ。私の考えではプロのアニメーターが「ちっ!!アニメのイロハ
もわかんない漫画家にやらせちゃあいられねえや!!」と思い、「わかっちゃいねえなあ。
ここはこうやんだよ!!」とばかりにがらっと作り直してくれるだろうと踏み、その
「余裕」のようなものを残して置いたつもりだったのに・・・!言い換えれば、他の
業界のプロにこれこれこうやって・・・と偉そうに指示を出すのをためらった、その
結果がそれであったのだ。穴があったら入りたいというのはこのことだ・・・。申し訳
ないやら恥ずかしいわで、かなり落ち込みそうになったが、できちまったものは
しょうがない。ただ、当初の予定の一つ、「あの番組のキャラクター作画に新風を」
というのはかなったと思われる。本当のところは当時のスタッフに聴いてみなければ
解らないのだが、あのあと、確実にキャラクターの描き方が変わったのだ。
ロボットの書き方から、人間の書き方に変わった。だから私はこの辺のくだりが一番
全体の中で好きなのだ。ウインディの後ろの髪もただ下がっているだけでなく、
なびくようになった。顔の皮膚も堅い金属でなく、もっと柔らかいものになり、
表情がより豊かになった。口を開いたら顔にしわも(たくさん)出来るようになった。
そうなると今度はやはり餅は餅屋、私が考えていたより遙かに作画が上手いのだ。
と言うわけで、それ以降は全く不満無くあの番組を楽しむことが出来るようになった。
逆に上手すぎて嫉妬するくらいだ。あのあと番組後半用オープニングが作られたときも
あまりの素晴らしさと自分の作ったアレとを思い比べてまた穴の中に入りたく
なったりもするのだ。このあとこのオープニングを作ったのと同じような状況で「Gガン」
の設定なども頼まれたりしてしまうのである。(
リーガーファンの方、サンライズ関係の方、何か言いたいことなどありましたら
メールを送って下さいませ。)