この作品は声優の宮村優子氏が考えたタイトルで、島本に是非漫画化して欲しいとの依頼で書き上げた一作である。ここだけの話だが、あまりこういう作品は私はやりたくないのだ。なぜなら、島本はこの手の作品が得意なのは解ってるし、早くいえば、「得意技」なのだ。ここから脱却しようと今まで頑張ってきたのに、何故今、それも人の「ネタ」で・・・と考えていたのである。「仮面ライダー」同様、この手のネタはまた、「絶対にはずせない」類の物である。「本気で、全力で」描かねばならない・・・「失敗は許されない」と言うことなのだ。じゃあ他の作品はは本気じゃあないのかと言われるとアレなのだが、まあそれはそれとして(いやあ・・いつもの他の作品ももちろん本気ですとも。)この分野は、私のオリジナルの世界観とは違うから、誰がどう評価するか解らないのに加え、私の時代は「ダイナマン」までで、それ以降はこの世界に深く関わっていないと言う弱みもあった。だがそれはそれとして、やはりこの手のネタでははずせないのだ。・・・そこら辺に島本和彦のちっぽけなプライドがあるらしい。だから私は断ったのだ。断って断って断り続けた。・・・・・のだが・・・断る理由(1)宮村優子が主人公では、私のファンが純粋に楽しめない可能性がある。(2)この世界観は今まで、やろうと思えばいつだってそれなりの完成度のオリジナルが出来ることは自信があったのが、あえてやっていなかったのに、何故人の作品としてそれをやらねばならないのか?(3)実在人物が主人公では、しかもそれが女性である場合描いては行けない領域があり、そこに踏み込んだかどうか、ネームを描く際に常に気になって、結果作品がつまらない物になりがちだから。(4)これにかかっている時間がない。やるからにはいいものを作らなくてはならないし、この手の作品は他の物の倍以上の(当社比)手間がかかる物なのである・・・・・・・等々、今思いつくだけでこのくらいある。(今後思いついたら密かに更新してここの部分が増えているかも知れません)まあ、(1)〜(3)の要因は仕事を断る理由としては説明しづらいモノがあるが、(4)時間がない、これが一番断るにいい要因だ。(いや、でもやっぱり引き受けるか否かは別の要因で決まるモノだ。つまり、やる気が出るか、出ないか、だ。たまにネタとしてはやる気があまりでないが、編集さんの勢いがあまりにも良くって、引き受けてしまうこともある。代表的な例としては「燃えよペン」「デスパイ」である。こういうときは以外と新分野が開けたり、いい結果が残ったりするモノだが、逆に気をつけなければいけないのが、ネタとしては思いっきり燃えるのだが、編集さんがなんか勢いを殺すタイプの(つまり島本と息が合わない)人だった場合だ。これが、仕事としては結構面白げなので軽く引き受けたりして、後でかなりなやんだりするモノなのだ。打ち合わせをすればするほど何を書いたらいいのか解らなくなり、悩みの淵に落ち込んでいく場合が多い。)と言うわけだったのだが、この、ただでは北海道くんだりまで来るはずのない「エース編集部」が、そんな話だけで来るはずが無く、メインの話題は「オンセンマン連載終了」の告知をしに来たのだった。・・・ッてことは・・・ありゃりゃ・・時間は出来ちゃうじゃあ無いですか!!と言うわけで、断る理由がついにメンタルな部分だけになり、精神的にもなんかこのまま断り続けるよりも描いちゃった方がいいのじゃあないか、早く楽になるんじゃあないのか??と言う気がしてきた。そんなわけで、あの作品を手がけることとなった・・・と言うわけなのである。 |